ユウユの映画の時間

ディズニーすきです

『ラーヤと龍の王国』感想(ネタバレあり)キャス書き起こし

注:多少端折っています、多少情報を追加しています

 

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今夜の感想キャスはディズニーアニメーションスタジオの最新作で3月5日から劇場公開と配信サービスDisney+プレミアムアクセスにて同時公開されたこの作品『ラーヤと龍の王国』

 

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邪悪な魔物“ドルーン”によって脅かされた龍の王国を舞台に、聖なる龍の力が宿るという石を守る一族に生まれた少女ラーヤが世界を救うため旅に出る。監督は『くまのプーさん』、『ベイマックス』のドン・ホールと『ブラインドスポッティング』のカルロス・ロペス・エストラーダ、主人公のラーヤを演じるのは『スターウォーズ 最後のジェダイ』で初登場したローズ役で知られるケリー・マリー・トラン。


という事でもう既に公開から時間が経っておりますけれどもかなりの絶賛の声がとにかく多く届いていて期待は高まっていた、特に僕のフォロワーさんで何度もコラボキャスをしているKENTAさんがもう大絶賛してて、ラーヤ宣伝大使を自称していた時期もあったりして(笑)とにかくテンション上げ上げの状態で観に行って参りました。シネマイクスピアリで観たっていうのもあるのかな、公開から時間が経っているのにも関わらず満席でビックリ。ラストのひと席をギリギリ確保できたのですが、なんと今回人生で初めてA列の席で観るという体験をしました(笑)

 

今回その、ディズニープリンセス映画としてカウントされる映画なんですよね。去年の5月にキャスはやりましたが要するに『アナと雪の女王2』が「恋愛、結婚というプリンセスものなら必ずと言っていいほど登場するイニシエーション(それが障壁としてなのか夢の実現なのかは様々ですが)そういうテーマに決着をつけたのがアナ雪と雪の女王2だった」という話を長々したんですが、あと『シュガー・ラッシュ オンライン』なんかでもセルフパロディ的な弄りがあって一通りその話は終わったという話をしてですね“じゃあラーヤはどうするのか”みたいな今思えば、視野の狭いことを言っていたわけですが、今作は冒険映画にシフトしたして恋愛というテーマは一切出さないという方向性になっていると。じゃあ「今回のテーマはなんなのか?」ということですが料理や龍、贈り物が一つのキーワードにして、そこから個人の意識の変化が徐々に繋がっていき信じる心がどんどん広まっていってそういうもののパワーを提示していく非常に今日的テーマになっているかなと。内容がとにかく大きいのでストーリーのテンポ感がだいぶ速い。冒頭はラーヤがアルマジロダンゴムシを足したようなトゥクトゥク、声優はあのアラン・テュディックさんですけれどもそのトゥクトゥクに乗ってテールを駆け抜けて行って石にされた人々を横目になぜこうなったのかという説明を切り絵風に結構きっちり目の説明する。幼少期時代のシーンもかなり駆け足で例えばラーヤとナマーリの子どもだけで石のところに行くところも罠の描写を飛ばしたりとか裏切りがあって花火が上がってその後もすぐに他の人たちが石のとこまで行く部分を丸々カットしていたりとかかと思えばドルーンを解き放った後にお父さんと逃げなきゃってことになるんだけど石の所から橋の上までカットしていたりとか異常な速さで驚きでしたね。でも駆け抜ける中でもしっかり伏線なんかも積み上げてたりもするので本当に目が離せない。また、最近のディズニーアニメーションでは十八番でもある信頼していた人が裏切るという展開を序盤でやってしまうあたりも新鮮かなと。そこから話が戻って砂漠のシーンで人影を見てすっと剣を抜くんですよねラーヤが映し出されて誰も信じれない世界でラーヤ自身の性格も変わったことがここでわかる。シスーと出会って徐々にコメディとシリアスを行き来するようなバランスになっていくんですが。そして、シスーの登場シーン。『アナと雪の女王2』的な船の中から特殊な雫の模様を描いて登場していてこれ終盤の龍が復活するときにも同じようになるんですが、伝説にもなっている龍が実はどこか抜けているおちゃらけた人なだったシーン。そこで一気にキツキツだった空気感から一変してコメディ的な面白さになっていく非常にここ『ベイマックス』的な面白さが入ってくると。ちなみにシスーの声は『フェアウェル』でゴールデングローブ賞の主演女優賞をとったオークワフィナさんで、めちゃくちゃ人間のシスーに似てるんでチェックしてもらいたいんですが、ちなみにこの人実写版のリトル・マーメイドでスカットルを演じるとの報道もあったりして今後の活躍も楽しみなんですが、この方ラップもやってらっしゃって作中でも唐突に披露されたりしますけどジョークに小犬とかさっき言ったラップとかを出してきてジーニー的な時代無視ジョークも入ってくる。それを後押しするかのようにオナラする虫とか船で急いで出発しないといけないシーンで船がビックリするくらい遅いみたいな『くまのプーさん』的な外した笑いが入るのも隙がないところ。巡っていく舞台の話をしておきますと今回の舞台はクマンドラマという王国。5つの国に分かれててしまって5個の独立したそして敵対した国々をひとつひとつ世界観を構築していったということで、やはりこれ製作に関わっているオスナット・シューラーさんが「5本の映画をデザインするようなものだ。」と言っている通り本当に大変なことなんですが、これちなみに龍の形の川があってそこの龍の部位によって名前がつけられているので名前で地図のどの辺かが想像できる仕組みだったりするんですが日本人にはちょっとわかりにくい感は否めないかなと。スパインとか背骨って意味だったりするんですけどね。それぞれの国の特徴を活かしたデザイン設計になっていて例えばタロン国は水をイメージした丸みを帯びたデザインだったりファング国だったら巨大な力を連想させるってことででかい建物がどかんどかんと建っていたりする。やっぱり今回も制作陣は東南アジアにリサーチを敢行したという事しっかり調査していると。あとその脚本を担当したクイ・グエンさんとアデム・リムさん両方アジア系アメリカ人で現地にルーツがある人が担当していたりする。あと、それぞれの国にそれぞれの特徴がある楽しさこれはこのキャスでも何回も紹介している『くるみ割り人形と秘密の王国』なんかもそうだったんですがあれの残念だった点で挙げた「4つの国が登場するが物語上ほとんど登場しないというポテンシャルを活かせていない作りな点」が今作では見事に表現されており「俺の観たかったくるみ割り人形はこれだ!」と思わず思った次第でございますけれども(笑)あとびっくりしたのが今回音楽を担当されてるジェームズ・ニュートン・ハワードさんは『くるみ割り人形と秘密の王国』の音楽も担当されていて意外なところで繋がっていたりするんですよね。そしていろいろ旅をしていくうちに仲間が増えていって話を聞いていくと家族を失ったことによる恐怖と悩みに囚われているのは自分だけではないことがわかっていく。知らなかった一面を知ることで共通点を見出していくような感じ。そしてナマーリとの最初の戦いのシーン、ここがやはりテンションが上がる部分ですよね。プリンセス対プリンセスだし、因縁の相手なのでいろいろドラマがある戦いになっている。やっぱここで一番印象的なのがシスーを見た時のナマーリの目の感じというか強面なんだけどどこかあの頃を思いですような『ソウルフル・ワールド』的に言うときらめきを思い出したような表情がなんとも絶妙。この辺から裏の主人公ナマーリとしての展開になっていってさらに違う一面が見えてくる。ナマーリ自身も石のかけらを集めて元に戻したいと思っていて意見が共通しているんですが、母親のヴィラーナとも敵対している。彼女は劇中で自分のことをそうやって言っていましたが計算高い生き方をしていて例えば最初に石の取り合いをする場面で自分は動かず手下の男に取らせたりとか自分はリスクを冒さなような生き方をしていて、もし人々が石から解放されたら潰されるのは自分だという先読みまでしている。結構ディズニーアニメーションでは珍しい実の母との敵対。『メリダとおそろしの森』なんかもありましたけど、ヴィラーナさんも実は恨みを買って攻め込まれてしまうリスクがなければもしかしたら平和になることを望んでいるような気もしなくもないと言うキャラクターで、彼女の掘り下げがもうちょっと観たかったですし、あっても良かったんではないかなと思いますけどね。ここの流れ特にラーヤ側の仲間でも最大の敵としてファング国を嫌っている、「全ての元凶はあいつだ」と狙いを一つに定めているわけですけれどもあのファング国でさえも一つのクマンドラマになるということは望んでいるんだけど人同士の感情だったりが渦巻いてどうもその方向性に行きつかないという現状が見えてくる。クロスボウ信じない心の象徴じゃないかなとも思っていて振り返ってみるとお父さんが殺されかけたのもそう、ファングがスパインに攻め込もうとした時もそう、石のかけら交渉もそう。逆に料理というものが信じる心の象徴だったりして、美味しくない一人で作ったエビみたいな食物のいじりがとにかく多かったと感じたんですがだからこそみんなで食べるあのスープ、5つの国の作物を全て入れて初めて美味しくなるあのスープが凄い意味を持っていて、信じる心のパワーを実感できるアイテムだったりする。一つでも材料が欠けちゃいけないあのスープ!作り手も食事シーンは結構大事だよと言っているのでね。それで言うと『プリンセスと魔法のキス』のガンボスープを思い出しましたが。でも、ナマーリがシスーを撃ってしまう。このシーン確かに武器を出したのはナマーリなんですがかなり迷っていてシスーが説得しようとしているんだけどラーヤが剣を抜いたから発射してしまってともう誰が悪いかわからない。なんだけど、シスーが死んだという最悪の状況でラーヤ怒りという感情を露わにして、シスの復讐のアナキン並みに一気にダークサイドに引き込まれたかのように変貌していく怖さがよく映し出されていて、表情とか含めてやっぱりどっちが敵かわからなくなってくる。ラーヤが正気に戻るシーン。ここで、剣に映った自分を見るんですがこれ最初の裏切りの時にお父さんが剣に映った自分あとラーヤを見て剣を収めて、説得しようとするシーンと重なってるのが上手いんですよね。そして、シスーの時と同じようにラーヤを筆頭にドルーンによって一度は飲み込まれてしまうシーン。ここラーヤで次にテールの少年ブーンが、ここよく見るとラーヤに寄り添ってる、彼のお姉ちゃんのエピソードとここがリンクしてくると。スパインのトングはタロンのノイっていう赤ちゃんをこう手に抱えてたりして家族愛的な温もり、たとえ本当の家族じゃなくても信じる心というテーマと繋がっているようにもとれるし、振り返ってみるとシスーはなぜ自分が選ばれたか良くわかっていませんでしたけど誰よりも信じる力が強かったという思いを託されたんでしょう、その結果彼女だけが伝説に残ったわけですよ。ここにラーヤを重ねると名もなき者たちがナマーリに思いを託すという構造になっている。このシーン各国のプリンス、プリンセスの方が絵面的には良さそうですがあえて端の方にいる名もなき人たちを輝かせるということによって映画作り的ひいては集団で何かをすることに対することへのアンサーともとれるようないろんな解釈ができるシーンだと思います。いろんな違う出身の人々が力を合わせる展開は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』的でもあるという指摘もあって勉強不足で申し訳ないですが観た人は連想せずにはいられないと言うことで。ちなみに元々ガーディアンズのメンバーは違うマーベルのアメコミ出身だったりしてメタ的にもそういう側面はあったりしますがね。終盤もテンポが異常なんですがそれでめでたしめでたしというわけでございます!ヴィラーナさん有耶無耶になってないって話ですが僕はもう彼女を信じるしかないということで(笑)いやー、だからこれクマンドラマを合衆国という昔からの体裁なんだけど明らかに分断しているアメリカ、リベラル派対保守派の対立をさらに複雑にして両方を嘲笑ってみせた『ザ・ハント』とかも作られましたがそういう見方もできるし、コロナ禍関連のいろんな事件とかとも特にアジア人差別とかありましたからそういうの良くないよねみたいな見方もできるだろうし、というかドルーンは疫病という説明がありましたからもうコロナでしょ!っとまぁ、そんな今に確かなメッセージ性を与えるような映画だなと。あとはやっぱりキャスティングですよね。ケリー・マリー・トランさんは人種とか容姿とかローズ関連のキャラを超えた本人への誹謗中傷とかで完全にラーヤ状態になっていた、例えばスター・ウォーズ以降の依頼は殆どキャンセルしたりしていたりする。でも、ラーヤのオファーを受け入れたあたりは少なくとも作品のパワーを信じてのことなのでしょう。ちなみにこのキャスティングの前にキャシー・スティールさんが起用されていたんだけどラーヤのキャラクターを当初はストイックな一匹狼から例えでスター・ロードを出していてここでもガーディアンズか、と思いますがこのイメージ変更があったため声優も変更されたとのことです。あとはこれは公開前から話題になってましたけどスタッフ400名余りがリモートで殆ど完成させたというあたりも物語と繋がってくる、今見るべきな作品なのは間違い無いでしょう。ただ、キャッシュレス批判とも取れるツケ払い危険だよね描写とか、確かに後払いのシステムは相手を信頼していないとできないことというのはわかるんだけどそれいるかな〜。あと、シスーが激辛なやつを食った後に不自然にナマーリのシーンに切り替わったりと気になる点がないわけではない。ヴィラーナさんの掘り下げはどうしても欲しかったかなと。あと、ここ一番の違和感で言えば人を信じることという非常に人間の心に訴えかけるメッセージ性なんだけどナマーリにそれを託すシーンでラーヤはいいとしても他の人が空気を読んでやってる感が否めないかな。あと、世間からするとミュージカルじゃないところがかなり突っ込まれていたり、公開規模がディズニー映画にしては狭かったり、相変わらずのフォント問題、といろいろありますがやっぱり埋もれてしまうのは非常にもったいない!これ6月には追加料金なしで観られるということなので知名度上げてもっと盛り上がってほしいそんな作品でした。僕も確認したい部分がたくさんあって例えばシンデレラの声優の鈴木より子さんの息子さんの鈴木涼平さんの指摘で剣が落ちた時カメラアングルが定点から手持ちになった!っとおっしゃっていたんでそことかあと吹替の言い回しの違いとかあとヘイヘイとか隠れミッキーとかいるらしいので今年何回観るんかな〜(笑)なのでとりあえずこれはあくまでも初見時の感想ということでよろしくお願いします。

 

あと短編の『あの頃をもう一度』の話もしましょう。いきなりパイナー・トプラクさんの音楽が流れてミュージカルが始まっていってもう心掴まれっぱなしで、本編前に既にもう大満足の傑作だったんですけど、雨をキーワードにかつての自分と今の自分が描かれていくんですがラーヤでも雨って結構大事な場面で使われましたけど、本編がミュージカルではない分ここでやっておくという気の利いた観客への気遣いもさすが。一見マイナスなイメージの雨、ピクサー短編の『レッズ・ドリーム』とかでは孤独感的な使われ方をしていた雨をプラスのイメージで捉えていてミュージカルで言うと『雨に唄えば』みたいないざ雨の中に入ってみたら実は楽しい世界が広がっていて〜っと外側から見た世界と内側から見た世界の違いを描いてる面ではラーヤとも共通していて、さらに今回は晴れでも良いというのも描いていて(ラーヤでは石にされた人が雨を待つような姿勢→太陽万歳なポーズで肯定しているかも)、本当に天気関係なしに外に出たくなるようなそんな作品でした。...ウッディとボーに見えたのは俺だけかな?

 

(コメント読みパート省略)

 

以上ラーヤの感想キャスでした。ありがとうございました。