ユウユの映画の時間

ディズニーすきです

2023年上半期に上映されたディズニー映画全部観た

 

 どうもユウユです。2023年も半分が終わってしまいました。例年通りWDJが配給した劇場公開映画を全て映画館で観てきたので感想を軽く書いていきます。

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作品一覧はコチラ↓

『作品名』(公開日)

 

イニシェリン島の精霊

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 『セブン・サイコパス』(12)のマーティン・マクドナー監督がアイルランドの孤島を舞台に大人の静かな諍(いさか)いを描く。同監督作『ヒットマンズ・レクイエム』(08)で共演したコリン・ファレルブレンダン・グリーソンの顔芸に注目です。

 TOHOシネマズ シャンテで観てきました。一階でチケットを取り、エレベーターで下がって劇場に向かう体験はイオン通いの僕にとっては新鮮でした。公開から1ヶ月ほど経って観ましたがアカデミー賞ノミネートの影響もあってかほぼ満席の状態でした。

 「12歳かよ」とツッコまれる不毛な戦い。人間関係の本音と建前のバランスが崩壊し、小さな火種が大きくなっていく様子を雄大な自然と共に描く。小さなコミュニティを形成し、ある日突然何かの拍子に崩壊する様子は既視感しかなく、友達と思っていたあいつが別の人と仲良くしているところを横目に、こちらも別の人とまたなんとなくの避暑地的な関係を構築する。遠くの問題は「なんかまたやってんな」と眺めるだけ。こんな人間関係の希薄さ、脆さを捉えつつも後半は人間は変われるのかと言うテーマにシフトして可能性を見出していく明るい映画でした。ケリー・コンドンがあの映画で実は1番優勝していた気がします。

 

タイタニックジェームズ・キャメロン25周年3Dリマスター

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 B5サイズのフライヤーを配らなかったのでポスターが掲示されていませんね。『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』(22)が昨年に公開され、絶好調なジェームズ・キャメロン監督の『タイタニック』(97)を3Dリマスターした作品。2週間限定上映でした。全部観る企画でいうと『ザ・ビートルズ Get Back:ルーフトップ・コンサート』(22)のIMAXのみの上映など特殊なやつはありましたが、人気作品を期間で制限してくるのはなんとも。IMAX 3D上映も都内の数ヶ所に限られ、チケ戦が勃発していました。

 3時間は家じゃ集中持たないし、ディズニープラスはこの上映の間『タイタニック』を消すし、3Dだし、バレンタイン近いし...。いろいろな条件が重なって大盛り上がりしていました。せっかくだから誰か誘えばよかったのに、市川妙典のイオンシネマがIMAX3D上映を急遽上映キャンセルしあがったため、こっちもチケットを急いでとる羽目になり、1人分しか空いていない座席を確保するという悲し結果でした。TOHOシネマズ八千代行ったんですよ。八千代。そしたら周りはカップルだらけで満席なんですよ。もうね、アホかと。馬鹿かと。

 

アントマン&ワスプ:クアントマニア

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 MCUイオンシネマ市川妙典IMAX 3Dで観てきました。

 フェーズ5のスタートとして量子世界をスコット・ラングら一行が冒険します。疑似的な関係ではありますが、親子三代で奇妙な世界を冒険する話、『ストレンジ・ワールド もうひとつの世界』(22)とだいぶ被っていてかわいそう。

 ブロッコリー男とモードックが良かったです。

 

エンパイア・オブ・ライト

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 『1917 命をかけた伝令』(20)のサム・メンデス監督。主演は『女王陛下のお気に入り』(18)や『シークレット・インベージョン』(23)のオリヴィア・コールマン。エンパイア劇場を舞台に人々の人生を浮かび上がらせる。

 映画についての映画であり、人生についての映画でした。マーガレット・サッチャー政権下の富裕層と貧困層の階層の分離が、一つの目的に向かっていけばよかった世界から一気に個人の世界になった人生観の変化みたいなものが映画を交えて語られていた。『スーパー!』(10)でいうコマとコマの間の物語にこそ人生があるという考えを、映画と結びつけた。映写技師のトビー・ジョーンズの言葉が印象的。映画は光を通して紡がれ、その間にある闇は錯覚で見えない。幸せとはそうではない部分をふせて見ているまやかし。人生はそんなもんだと何故か腑に落ちた。

 

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー VOLUME3


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 MCUイオンシネマ幕張新都心で吹替、TOHOシネマズおおたかの森でIMAX 3D字幕で観てきました。そんなにハマんなかったです。

 一緒に観に行ったノアくんは大喜びしてました。

 

リトル・マーメイド

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 『イントゥ・ザ・ウッズ』(15)のロブ・マーシャル監督が『リトル・マーメイド』(89)を実写化。アリエル役に抜擢されたのはハリー・ベイリー。歌声が凄すぎました。

 勝手に仲間意識を持っている作品勢の人が試写でIMAX 3D版を観ていて、「絶対IMAX 3Dで観るぞ」と意気込んでいたんですが、蓋を開けてみたら普通の 3D上映すらないという体たらく。テンションがだだ下がりの状態でイオンシネマ千葉ニュータウンで観てきました。

 この手の実写化映画は苦手で、特に『アラジン』(19)とかは無理の域まで行っています。『ピーター・パン&ウェンディ』(23)も二度と見たくないのでとっても心配でしたが、しっかりいい映画に仕上がっていました。原作での人魚は無理して引き換えて手に入れ上の世界に行ったアリエルがその足の痛みに耐えかねる階級の違いの話がネックにあったのを、今回は楽しい恋愛映画に仕上げているので見事です。オークワフィナのラップも最高でした。

 

追記

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 なんとイオンシネマ限定で3Dで上映されていました!私はイオンシネマ浦和美園で観てきました。水中シーンの没入感が増しかなり評価が上がりました。一方でエリックの歌唱シーンのMV感も増すという。

 

マイ・エレメント

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 『アーロと少年』(16)のピーター・ソーン監督が元素の世界を描く。アメリカでは公開済み。エンバーの声優の川口春奈、ウェイドの声優の玉森裕太らが登壇したTOHOシネマズ六本木の試写会に行ってきました。ムビチケがあと2枚あるのでトータル3回は確定ですね。

 場内はジャニーズファンやインフルエンサー研音ファン、映画ファンで大盛り上がり。試写会は反応が良い人たちばかりなので毎回ワクワクします。(『スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム』(21)や『ザ・フラッシュ』(23)の時の反応は忘れられません。)

 詳しくは下半期の記事で触れます。

 

インディ・ジョーンズと運命のダイアル

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 『コップ・ランド』(97)のジェームズ・マンゴールドが前作の監督スピルバーグに代わって就任。81歳で次回作は『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』(原題)のまだまだ現役のハリソン・フォードが再びインディ・ジョーンズを演じる。イオンシネマ市川妙典のIMAX2Dで観てきました。

 インディが馬に乗ったあたりから最後まで寝ちゃったのでもう一回観てきます。

 

追記 イオンシネマ越谷レイクタウンで吹替版を観てきました!

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 『インディ・ジョーンズ 最後の聖戦』(89)で使用されたサイドカーの展示がありました!帽子もご自由にどうぞと置いてありました。

 

 最後まで観た感想としては最初のアクションシーンからずっと下り坂の印象でした。結局、昔のインディのコメディチックなアクションが好きということで。そこからは2回目でようやく掴めたはいいものの変にややこしい人物配置が気になって仕方がなかったです。国の人とナチスとチンピラと盗人娘と?トビー・ジョーンズ演じるバジルさんフル無視だけど?それ持って帰っていいの?いろいろ疑問が残りました。

 

 上半期はこんな感じでした。今後で1番期待しているのは『マーベルズ』とギャレス・エドワーズの新作『ザ・クリエイター/創世記』です。ベスト級に気に入った作品はまだないので下半期に期待!

『ピーター・パン&ウェンディ』感想(ネタバレあり)

 どうもユウユです。もう5月...。大学2年です...。大人になりたくない...。そんな私がレビューするのはディズニープラスで4月28日から配信されている『ピーター・パン&ウェンディ』です。。。私は超過密スケジュールにつきまさかの今さっき観てきたという。。。以下、ブログで加筆修正するかもしれません。よろしくお願いします。

 

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 さて、このブログの1番アクセスが多かった『チップとデールの大作戦 レスキュー・レンジャーズ』評でも申し上げた通り、私はピーターパンがあまり好きではありません。残念。

じゃあね、観んなって話じゃないですか。でもね、ディズニー好きとして見ない選択肢はなしなわけですよね。だって面白いかもしれないし。

 

 ここで少し最近の実写化続編ラッシュについて軽く触れていきたいと思うんですが、やっぱり「多すぎる!!!」というのが正直な感想。私は最近のWDJ配給映画は全て劇場で観ていますし、ディズニープラス限定の映画もそこそこは観ていますが、実写映画の個人的なハマった映画は実写化よりもやはりオリジナルの映画の方が観たいし、応援したい。これは一時期のOVAによる続編の粗製濫造時代に似ている傾向にあると思っていて、『ラーヤ〜』評で申し上げた通り暗黒期がもうすぐそこまできてると思います。ただ、OVA映画の中にも、例えば歴史改変ものの『シンデレラIII 戻された時計の針』(07)とか好きなものがあるように、実写化映画も『わんわん物語』(21)とか『クルエラ』(22)なんかはとても好きで、玉石混交だなと思っています。なので、いろいろ苦言は言うかもしれないし、世論の意見もわからなくはないが、とりあえずは商業主義としての続編ラッシュのことは一旦置いといて、この「ピーター・パン」の実写映画を観ていこうと思います。まずはやはり「観る」ことが大事!!!

 

 ということで、『ピーター・パン&ウェンディ』。こちらを紐解くには監督のデヴィット・ロウリーについて語らなければなりません。彼の作家性みたいなものがとても今回の題材にマッチしていて、良いんですよね。監督を読み解くにあたって私は日本で観れる長編は全て観ました。その中で感じたことを話して行きたいんですけど、彼の作家性としては「使命、宿命を背負った主人公がそこから導かれる耐え難いけど向き合わなければならない現実に直面する話」と言えるんですね。まずは『セインツ -約束の果て-』という作品。1970年代のアメリカ合衆国テキサスを舞台に、ボブとルースという、これ演じてるのはケイシー・アフレックルーニー・マーラです。そのカップルは強盗とか窃盗で生計を立てているんですけど、ルースの妊娠が発覚して、「じゃあ、強盗から足を洗って真っ当に生きようか」ってなるんですよ。それで、「これが最後の強盗だ」ってことで銀行強盗をするんですけど、そこでミスってですね、保安官とかを撃っちゃったりして、事態が大きくなって男側が投降するんですね。女側の方は子育てもあるからってことで、男に脅迫されたってことで釈放されて子育てすることになるんですけど、そこから4年後の姿を描くと。そしたらね、男の方が脱獄しましてね、帰ってくるんですよ。でもね、こういった事情を全部知ってる撃たれた保安官が母子をすごい気にかけてて、「危険な目には合わせられない」と思って、男側を、まぁ脱獄犯ですから、部下に殺せって命じるんですよ。この「使命」の話を撮って注目をされたんですよね。「会いたいけど会えない」とか「相手を思って近づきたいのに近づけない」とかもどかしい感情が「使命」によって渦巻いていく様が非常に見事なんですよね。

 

 ここから友情に置き換えたがディズニー映画『ピートと秘密の友達』(16)ですね。これは幼少期に親を事故で亡くしたピートが森で出会ったエリオットと出会うところから始まるんですけど、もういきなりちょっと悲しいんですけど、エリオットと森の奥で暮らすことになるんですよ。それから6年後、ブライス・ダラス・ハワード演じる緑化活動っていうのかな?その森のプロみたいな人とピートが出会ってですね、まぁターザン状態なんで、引き取ることになるんですね。そこからピートという隠さなければならないとどう折り合いをつけるか、が描かれるんですね。エリオットはピートがお家で絵本を読んだりしてるのを一方的に見てなくてはならない。人間のピートとドラゴンのエリオット。エリオットはピートを見守る「使命」があるけど、ピートも人間である、俗世間にいるべきという「使命」、保護する方の守ってあげなきゃという「使命」、ドラゴンは危ないから子ども守らないとという「使命」...。お互いが「使命」を全うした先にある「向き合わなければならない現実」。これがやはり特徴的かなと。

 

 次に撮ったのが、『A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー』(18)。こ!れ!が!めちゃくちゃ!良い!

 ケイシー・アフレックルーニー・マーラのタッグなんですけど、またまたカップル役でですね...。MとCって名前なんですけど、また男と女って呼びますね。内容は現代の田舎町に住んでいるカップルの男側が交通事故で亡くなってしまうんですけど、お化けのフードを被った姿で現れるんですよ。でも、人の目には触れられない“ゴースト”になっていてただただ眺めることしかできない。自分を失った悲しみに暮れる彼女、気遣いにもらったパイをドカ食いする彼女、日常を段々取り戻していく彼女を全部見ることしかできないという...。この先は実際に確認して欲しいんですけど、これも最終的には「使命」の話になってくるんですよね。これは『グリーン・ナイト』(22)のパンフレットに書いてあったんですけど、この2作『ピートと秘密の友達』と『A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー』は兄弟のような作品と語られているので、関連性がやはりあると言うことを念頭に置いてみると、エリオットは透明になって見守るだけの存在というのが共通していました。私は「使命」と「現実」二部作と勝手に呼ぶことにします。

 

 ロバート・レットフォードの引退作『さらば愛しきアウトロー』(18)を経て、次に撮ったのがA24の『グリーン・ナイト』。アーサー王の甥なんだけども小心者で誇れる騎士エピソード的なのも特にないガウェインが主人公なんですけど。ガウェインがクリスマスの日に全身が木のブサイクなグルートみたいな騎士が現れてですね、首切りゲームを持ち掛けるんですよ。「俺の首を討ち取ってみろ、そんだら一年後お返しするから」と持ちかけられ、流石に「やるっきゃないっしょ!」となったガウェインはですね、グルートの首を切り落とすんですが、グルートが「ヨイショ」って切り捨てられた顔を持ち上げてですね、「じゃあ一年後待ってっから」って言ってどっかいっちゃうんですよ。一年後、ガウェインは渋々グルート狩りに出掛けるという...。「なんか騎士が出かけるらしいで!」って子どもたちが騒いでですね、ガウェインの出発を見守るんですけど、ガウェインの顔がマジやる気ないなこいつみたいなのでめちゃくちゃおもろいんですよね。これも是非観ていただきたいです。この映画はさっき言った「使命、宿命を背負った主人公がそこから導かれる耐え難いけど向き合わなければならない現実に直面する話」ではあるんですけど、厳密に言えば使命、宿命を背負った主人公がそこから導かれる耐え難いけど向き合わなければならない現実に直面することから逃げようとする話」なんですよね。今度は「宿命」と「逃避」のお話かなと思いました。

 

 そして今回の『ピーター・パン&ウェンディ』は『グリーン・ナイト』と兄弟みたいな作品と監督が語られていて、この二つセットで「宿命」と「逃避」2部作と勝手に呼ぼうと思います。寄宿学校に行かなければならないウェンディが夢見たネバーランドをピーターパンと一緒に巡る内容。このネバーランドは大人にならなければならない「宿命」から「逃避」する象徴として描かれます。ですが、ここもウェンディが寄宿学校に行きたくない明確な理由というか、ぼんやり学校行きたくないくらいにしか受け取れませんでした。「大人になりたくない」、「母親の人生は嫌だ」と思う理由がいまいちわかりませんでした。原作ではお金をやりくりして一家を支えているという実感を感じたい、地元のコミュニティからも求められたい、ゆえに怒りっぽくなるお父さん。とそれらを全てわかった上で丁重に扱ってみせるお母さん。この辺の大人の性急で余裕がない大人描写が描かれるので、これはなりたくないわと思うんですが。少なくとも映画だけだとあまり分かりませんでした。

 そして行きたいと願っているネバーランドもかなり問題ありで、原作では子どもたちが思い描いた通りになるので、海賊やインディアンキャンプなんかがあるディズニーランド状態になってるんですが、今作はネバーランドに行くまでが割とすぐなので細かな設定は不明です。このネバーランドがよくわかんない部分がこの作品の1番評価を落としている部分なんじゃないかと思います。

 

 ネバーランドは憧れの象徴、つまりそれがおとぎ話であったと思います。おとぎ話は、プーさんで言うところの100エーカーの森と同じで、常にどこか心の中に存在して、童心に返してくれる特別な存在だと思います。『魔法にかけられて2』(22)の時も言ったんですが、「「いつまでも幸せに過ごしました」という話がなんで受け入れられているかって、自分達の生きている世界はそうはいかないことがあっても、お話の世界に一度戻って来れば、物語の世界だけは必ず幸せが待っている。だから、勇気をもらえたりする。」と言うのが私のおとぎ話へのスタンスなので、ネバーランドはそう言う世界であって欲しかったですね。今作のネバーランドがなぜ辺なのか、それは子どもと大人の話として描かれる舞台としてはいまいちだからです。

 

 フック船長とピーターパンについて見ていきましょう。フック船長はピーターと親友だったが、フックが母親に会いたくなり、ネバーランドを出て行くという設定があります。なるほど。私はフックはネバーランドを飛び出して、こちらのウェンディたちが住んでいるような世界にやって来たのかなと思ったんですが、よく考えるとスミーが小さかったフックを拾い上げた設定があるので「???」となりました。ネバーランドから出て行ったとは言ったけど多分飛べもしなかったのでその辺を彷徨ってただけだと思うんですが、ピーターはこちらの世界に度々戻ってきていたので、「なんで教えてあげないの?」と思いました。『ピートと秘密の友達』のような一方的に見ることしかできない関係はピーターもどうやらそうだったみたいですが、だとしたら映像として見せてくれ...。言葉で告白されても子どもと大人のルールがよくわからないのでわかりません。ピーターの宿命はおとぎ話として存在し続けることなのかもしれないが、「気づいたらおとぎ話になってたわ〜」くらいなのでこれもよくわかりません。フックもピーターもロジカルではない感情的な子どもの喧嘩で、そうするのはわかるけども、少なくとも僕は置いてかれましたね。ジュード・ロウ(森川ボイス)はとても魅力的でしたが、「子どもの時にいい思い出がない、大人になるしかなかった大人」としての話があまり描かれずじまいで物足りなかったです。ピーターがネバーランドに戻る結末も、ピーターはフックのことを思って帰ってきたとかではないと思います。フックは船から落ちて、死んだ扱いを受けているので、そう考えるとピーターが戻った理由もよくわかりません。

 

 ロスト・ボーイズたちも、原作では看護師さんの目から逃れてベビーカーから落ちてしまった子どもたちをピーターが連れて行った、ゆえにお母さんを知らないという設定がありました。しかも、なぜボーイズなのかというと女の子が頭がいいからベビーカーから落ちないというものでした。今作はみんないたので良かった(?)のかな。あの子たちはネバーランドからこちらの世界にやってきますが、フックのことを思うとピーターは本当はしたくなかったんだなと思います。でも、ピーターはおとぎ話としての「宿命」(?)を全うするために行ったようにも取れますが、やっぱりよくわかりませんでした。

 

 ここまで、わからない映画は久しぶりですが、良かった部分もたくさんあります。それはチクタクワニですね。『ピノキオ』(22)の時もそうなんですがここのモンスター描写はこの映画の1番盛り上がる部分だと思います!『カニング・キラー 殺戮の沼』(07)や『ロキ』(21)の時も思いましたがやっぱりワニは素晴らしい!!!

 

 そしてタイガー・リリー。え?!かっこよすぎます!と言わんばかりの活躍ぶり。『シャンハイ・ヌーン』(00)の困った時はなんでもしてくれる感じが心強かったです。

 

 そしてフック船長。もう彼をいっそ主役に据えて、ピーターとフックの物語をもう少し丁寧に紡いでほしかった。

 

 ウェンディが処刑の板を飛ぶ時にデヴィット・ロウリー印の編集によって一生を見る。あの瞬間はまさに『グリーン・ナイト』でガウェインが観るヴィジョンにそっくりでした。そして「見ようとすれば見える」というティンクの声。将来への不安は楽しいことを考えると良いんでしょうか。今作のためにデヴィット・ロウリー監督作品と原作を読み返しましたが、原作がやはり面白く、(もしくはスピルバーグの『フック』(91))、デヴィット・ロウリー作品の中では『A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー』がとても良いので、僕のように満足出来なかった人はそっちを見てもらえたらいいかなと。

 

 全然わからなかった〜。みなさんのご意見を是非お聞かせ願いたい作品でした。

 

ディズニー行くならコレを観ろ!トゥモローランド編

 映画とパークを結びつける試みとして、観ておいたほうがいいかもしれないディズニー映画をエリア別で紹介したいと思います。

 基本的には施設単位で紹介するので、パークにいる時にも今いる場所から調べられるので活躍してみてください。(この映画も追加しろ!っと思ったらすぐに教えてください🙇‍♂️)

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  開園当初は独自のアトラクションの数々で異彩を放っていたトゥモローランド。『ミクロキッズ』(89)をテーマにした「ミクロアドベンチャー!」や『スター・ウォーズ』(77〜)シリーズをテーマにした「(旧)スターツアーズ」などの実写作品のアトラクション化やフランシス・フォード・コッポラ監督、マイケル・ジャクソン主演の『キャプテンEO』などSF的なアトラクションが多く存在していた。2004年オープンの「バズ・ライトイヤーアストロブラスター」を皮切りにアニメーション映画からの引用も増えていった印象。

アトラクション

ベイマックスのハッピーライド

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 マーベルコミック原案の映画『ベイマックス』(14)のアトラクション。元になったビッグ・ヒーロー・シックスのメンバーにはX-MENのシルバーサムライなどがいるが、あくまでWDASの映画のアトラクションであるため権利問題をくぐり抜けて東京にオープンできたのだと考えられる。

 

・スティッチ・エンカウンター

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 『リロ&スティッチ』(02)に登場するスティッチと喋れるアトラクション。銀河連邦の方々やガントゥなどの一部キャラクターの存在は確認できるが、エンジェルなどの存在は確認できない。


・バズのアストロブラスター

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 『トイ・ストーリー2』(99)にて登場したザーグの他、スケッチやバズ、リトル・グリーン・メンなどお馴染みのキャラクターが登場している。リトル・グリーン・メンの惑星「グリーン・プラネット」や彼らの意思疎通の役割を担うユニマインドなどの設定は『スペース・レンジャーバズライトイヤー帝王ザーグを倒せ!』(00)からきている。バズの声優も『トイ・ストーリー』シリーズの所ジョージではなく『〜帝王ザーグを倒せ!』の稲葉実となっている。また待ち列のトランシーバーからは同作に登場するXR、ミラ・ノヴァ、ブースターからの通信を聴くことができる。ザーグの故郷「プラネットZ」では『トイ・ストーリー』(95)の楽曲「全てがストレンジ」のアレンジが流れるほか、ライド終盤では「君はともだち」が流れる。

 

スターツアーズ

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 「スター・ウォーズ」シリーズの世界にある航空会社という設定のアトラクション。1作目『スター・ウォーズ 新たなる希望』(77)から9作目『〜スカイ・ウォーカーの夜明け』(19)までに登場したさまざまな惑星を訪れることができる。特筆すべき点は待ち列にある尋常じゃない数の小ネタにある。まずはドロイドが荷物検査をしている場面。ライドシステムを作るキッカケになった『ブラックホール』(80)やジョージ・ルーカスとディズニーのタッグで制作された『キャプテンEO』(86)など意味深いものからあまり関係がなさそうな『アラジン』(92)まで幅広い。リストにしたので参考までに。

 また設定上の名称にも小ネタがある。スターツアーズ社は空港的な存在の「スペースポートTHX-1138」に属する旅行代理店の一つとして存在している。ライドが始まってすぐにストームトルーパー(もしくはダース・ベイダーもしくはカイロ・レン)に反乱軍(もしくはレジスタンス)のスパイが乗っていることがバレてしまい脱出する建物がそれだ。この名称はジョージ・ルーカスの監督デビュー作『THX-1138』(71)から取られている。

 

モンスターズ・インク“ライド&ゴーシーク!”

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 映画『モンスターズ・インク』(01)(とアニメシリーズ『モンスターズ・ワーク』(21〜)の後とも考えられる)以後に、モンスターの世界に戻ってきたブーと一緒にかくれんぼゲームをする。ライド中にある時計は10時28分を指しており、これは『モンスターズ・インク』がディズニーが所有するエル・キャピタンシアターで世界で初めて上映された2001年10月28日を意味していると思われる。ハリーハウゼンレストランの内のタコのような見た目の寿司職人の後ろの屏風には『ファインディング・ニモ』(03)のマーリンらしき絵がある。(わざわざ食用ではないカクレクマノミを描くということは...!?)また、ライド終盤のブーの部屋にはニモのライトが付いている。『モンスターズ・インク』の劇伴のほかに待ち列のBGMには同時上映の短編『フォー・ザ・バーズ』(01)の楽曲も使用されている。

レストラン

・ソフトランディング

 (特にこれといった映画からの引用はないが“軟着陸”という名前のこのレストランは「スターツアーズ」の宇宙の旅から無事帰還した後にたどり着く場所にあるため関係がほのめかされている。実際に昔はスターウォーズ関連のソフトクリームなどを販売していた。)

 

トゥモローランド・テラス

 (何も関係ないけど、トイレまでの道が『シャイニング』みたいでちょっとカッコいい。)

 

・パン・ギャラクティック・ピザ・ポート

 特になし

 

・ビッグポップ

 ポップコーンの専門店でいわゆるニューファンタジーランド、「ベイマックスのハッピーライド」と同時期にオープン。そのためか天井には『ベイマックス』のベイマックスが描かれている。死んで星にでもなったんか。

 窓もいわゆるモンスターボール型で、タダシが通っていた大学の研究室の窓に似ている。

 

・プラズマ・レイズ・ダイナー

 映画から引用されている要素を写真付きで解説する。(小ネタを全て拾えているわけではないので随時コメントください🙇‍♂️)

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 このポスターには『ブラボー火星人2000』(99)に登場した宇宙船が描かれている。

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 このポスターには上から『キャプテンEO』の宇宙船、『リロ&スティッチ』の宇宙船、『ナビゲイター』(86)の宇宙船が描かれている。

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 反対側には『ブラック・ホール』のV.I.N.CENTとマクシミリアンがいる。

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 このポスターには『ピノキオ』(52)からよくわからん乗り物に乗ってるジミニーと喉仏が出過ぎなピノキオがいる。思春期かな。

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 このポスターには『ルイスと未来泥棒』(07)のルイスとウィルバーがいる。乗ってる宇宙船も同じ。

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  そのすぐ左側にはスティッチのシルエット、絵の中の店内から察するに追われている模様。

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 このポスターの左側には『ブラック・ホール』のおなじみの2人。

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 真ん中にはまたまたスティッチ。

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 そして、右側には『ダンボ』(54)のダンボがいます。

 他にもアトラクションの小ネタも多数存在するので是非探してみてください。

 

•ポッピング・ポッド

特になし

 

ショップ

•コズミック・エンカウンター

特になし

 

スターゲイザーサプライ

特になし

 

•トレジャー・コメット

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 アトラクション「スティッチ・エンカウンター」に隣接するためスティッチがいる。

 

•プラネットM

 

  アトラクション「バズ・ライトイヤーアストロブラスター」に隣接しているため、エイリアンなどの『トイ・ストーリー』キャラクターのほかに独自のBGSを展開しているためミッキー一行も確認できる。ミッキニウムってなんやねん。

 

モンスターズ・インク・カンパニーストア

 アトラクション「モンスターズ・インク“ライド&ゴーシーク!”」に隣接するショップ。『モンスターズ・インク』ネタがたくさん仕込まれている。

 

BGM

 映画ネタのみ紹介する。

 

 

 

 

 トゥモローランドはパーク史とも結びついた小ネタも豊富で『ブラック・ホール』のネタは「スター・ツアーズ」などと深く関係があるので『パークの裏側 〜進化し続けるアトラクション〜』を参照してみてください。

 

 

最近のディズニー映画感想

 どうもユウユです。またまた、久しぶりの投稿。前回は確か『魔法にかけられて2』をボロカスに言った気がする。まだ許してない。

 フォロワーさんから予想以上に観ていただけて、反響もあり少し嬉しい気持ちになっていたが、その後に公開された映画はそんなに書くことがなくてスルーしていた。

 そんな中で、もっと自由に書いてみたらどうかとアドバイスをいただいき、「たしかにそっちの方が良い」と思ったので短評という形でまとめてみようと思う!

 

注:ネタバレ若干あり

 

『ストレンジ・ワールド もう一つの世界』

 

 これはやばい。やばすぎる。歴史的大爆死、ポリコレというワードを使う絶好のチャンスを与え、続編ラッシュはこいつのせいとまで言われている。かわいそうになってくる。これ、ミラベル評で「2000年代の再来!」と予言した俺のせい?つまり、ブルーノのせい?!

 『ラーヤと龍の王国』の脚本家キュイ・グエンさんの超絶ハイスピード語り口がダメなんだと思う。次に起きることが食い気味に襲ってくる。エモーショナルな静的なシーンはブツっと斬られ、駆け足のまま終わっていく。今自分たちがどこにいるのかがあまり伝わってこない。気づいたら背景がガラッと変わっている。あまりにも雑というかカラッとしすぎている。そこがダメ。

 一方で邦題は割と良いと思っている。“もう一つの世界”とはアヴァロニアという我々からしたら不思議な世界にまたさらに別世界が広がるという実質二つ世界が提示されるので、“もう一つ”というのがとてもしっくりくる。

 別に嫌いという訳でもなくて、まるでエプコットのワンダーズ・オブ・ライフ館を映画化したかのような世界観は私にブッ刺さった。あの時代のエプコットの尖り具合と同じバイブスを感じた。2回目は4DXで見ましたが実質「ボディー・ウォーズ」だった。

 

『クリスマス・アゲイン』

 

 ディズニーチャンネルでやってたらしい。俺はディズニーおプラスで観た。話としては『ミッキーのクリスマスの贈り物』のヒューイ、ドゥーイ、ルーイのクリスマスをずっと繰り返すタイムループものと同じ。この手の話は結構好き。同じ日の中で別の場所、別の会話、別のことをするだけで全く違う1日になるし、失敗しても次の日になればリセットされる。ゲームと同じ感覚になれるのが魅力。そこをしっかりと押さえられている本作は満足できる出来だった。

 

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー ホリデースペシャル』

 

 マンティスのキャラ薄い問題が解消される一作。3が楽しみや〜。ケヴィン・ベーコン×ジェームズ・ガンはそうしても『スーパー!』を想起してしまう。クリスマスの時期に観れて良かった。誰だよ、配信しないとか言ったやつ。

 

アバター ウェイ・オブ・ウォーター』

 

 映像がすごい。水がフィジーの水!!!超綺麗!!!それ以外はいつも通り。実写リトルマーメイドがんばれ👍

 

アントマン&ワスプ クアントマニア』

 

 タイトルで草マニア。映画の大半をカーンの説明に使い家族の話が薄味でモヤモヤ。ヒーローと言う名声に縋って気持ちよくなってる自己満おじさんと、ヒーローになりたがる娘の話はクアンタム・レルム救ったからと言って解決しないのでは?そもそも、キャシーの家族って別にいなかったっけ?いろいろ疑問が残る。

 でも、そこそこのSF映画がなぜか好きな私には良い作品だった。モードックとブヨブヨくんとブロッコリーマンが最高。長い時間を割いた分カーンもかなり好きになれた。小物感があるカーン、疲れすぎて全てをノリでやっている在り続けるものカーン、評議会の真面目カーン等々。『スプリット』みたいにジョナサン・メジャースを演技を楽しめると思うと期待が持てる。『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』の演技シーンも最高なんでそっちも観てれよな。

 

 

 

 炊いた肉とイニシェリン島がまだ観れてないし、どっちも終映が近づいていてやばい。最近は例のBGSの方や普通にプライベートが忙しいのもあってなかなかスケジュール管理が大変。その中で。前よりもかなりディズニーに対しての向き合い方を考えるようになったと思う。せっかく人よりも多く摂取してるのだから、アウトプットもしていかないとね。そんな訳で、これも好評だったら続けていこうかなと思っているよ。ではでは。

 

 

ディズニー行くならコレを観ろ!アドベンチャーランド編

 映画とパークを結びつける試みとして、観ておいたほうがいいかもしれないディズニー映画をエリア別で紹介したいと思います。

 基本的には施設単位で紹介するので、パークにいる時にも今いる場所から調べられるので活躍してみてください。(この映画も追加しろ!っと思ったらすぐに教えてください🙇‍♂️)

 

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 アドベンチャーランドは、映画ジャンルとしての“冒険モノ”とも相性が良いので割とたくさんあります。

 

アトラクション

ウエスタンリバー鉄道

 洞窟内の恐竜のシーンは『ファンタジア』(40)の中の「春の祭典」のシーンにインスパイアされています。

 

カリブの海賊

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 映画『パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち』(03)をはじめとするシリーズは『〜最後の海賊』(17)まで5作も制作され、アトラクション原作の映画としては異例のヒット作となりました。2007年のリニューアルを経た現在の「カリブの海賊」はジャック・スパロウ、バルボッサ、デイヴィ・ジョーンズなどの映画のキャラクターやプロップスがアトラクションの随所に登場し、原作のアトラクションに映画要素が逆輸入された形になります。

 (余談ですが、ディズニー映画『キャプテン・ロン あこがれのカリブ海クルーズ』(92)や『ジュラシック・パーク』(93)では「カリブの海賊は人を襲わない」と言った引用がされているのでよければチェックしてみてください。)

 

ジャングルクルーズ ワイルド・ライフ・エクスペディション

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 記憶に新しいのはアトラクションから映画になったドウェイン・ジョンソンエミリー・ブラント共演の『ジャングル・クルーズ』(21)でしょう。着想元としては『アフリカの女王』(51)、ある意味基になった映画といえば『あざらしの島』(48)から『ジャングル・キャット』(60)までの「トゥルー・ライフ・アドベンチャー(自然と冒険記録映画)」シリーズも関連作品として挙げられます。アトラクション中、ライオンが登場する場面では『ライオン・キング』(94)の楽曲「サークル・オブ・ライフ」が使用されています。

 

スイスファミリー・ツリーハウス

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 『スイスファミリーロビンソン』(60)を原作とするアトラクションです。観る前と観た後では見方ががらりと変わります。

 

•魅惑のチキルーム:スティッチ・プレゼンツ”アロハ・エ・コモ・マイ!”

 『リロ&スティッチ』(03)に登場するスティッチが登場します。

 (余談ですが、いわゆる沖縄版スティッチの第2シーズンにあたる『スティッチ! 〜いたずらエイリアンの大冒険〜』(08〜09)にて東京ディズニーランドに行くエピソードがあります。)

 (これも余談ですが、ハワイ島に伝わる神様“チキ(ティキ)”をフィーチャーしたアトラクションなので『モアナと伝説の海』(16)で知名度が上がったマウイの像があります。)

 

レストラン

•カフェ・オーリンズ

特になし

 

クリスタル・パレスレストラン

特になし

 

•ザ・ガゼーボ

特になし

 

•スキッパーズ・ギャレー

特になし

 

•スクウィーザーズ・トロピカル・ジュースバー

特になし

 

•チャイナ・ボイジャー

特になし

 

•パークサイド・ワゴン

特になし

 

•ブルーバイユー・レストラン

アトラクション「カリブの海賊」の中にあるので『パイレーツ〜』シリーズは観ておいて損はないかも。

 

フレッシュ・フルーツ・オアシス

特になし

 

ボイラールーム・バイツ

特になし

 

ポリネシアンテラス・レストラン

特になし

 

ロイヤルストリート・ベランダ

特になし

 

ショップ

・ジャングル・カーニバル

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 ゲームに挑戦できるショップ。「パシフィック・エクスポート」、「サファリ・トレーディング・カンパニー」、「チキ・トロピックショップ」といったショップ群をクローズして2015年にオープンしました。オープンに伴い周辺は映画『ジャングルブック』に登場するキャラクターのデザインが散りばめられています。

 

アドベンチャーランド・バザール

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 上記の「ジャングル・カーニバル」オープンに伴い『ジャングル・ブック』(67)に登場するキャラクターのデザインが追加されました。

 

•クリスタル・アーツ

特になし

 

•ゴールデン・ガリオン

特になし

 

パイレーツ・トレジャー

 アトラクション「カリブの海賊」の出口付近にあるので『パイレーツ〜』シリーズは観ておいて損はない。(実際に『〜最後の海賊』が劇場公開されていた時のグッツが未だに売られている。)

 

パーティグラ・ギフト

特になし

 

ラ・プティート・パフュームリー

特になし

 

•ル・マルシェ・ブルー

特になし

 

 

これらに加えてニューオーリンズの雰囲気を感じ取れる『プリンセスと魔法のキス』(09)、アドベンチャー系のディズニー映画としておすすめしたいのが『ジャングル・ジョージ』(97)、『ターザン』(99)などがおすすめです。

『魔法にかけられて2』感想(ネタバレあり)

 どうもユウユです。

 今回は『魔法にかけられて2』の感想をネタバレありで書いていきたいと思います。

 

注意:『魔法にかけられて』、『メラニーは行く!』、『ワンダ・ヴィジョン』中盤までのネタバレも含みます。

 

〈あらすじ〉

 ロバートと結婚してからその後、ニューヨーク郊外で迎えた新生活で憂鬱な日々を送っていたジゼルは、“永遠の幸せ”を願い魔法をかけたが、誤って街全体をおとぎの世界にしてしまった。その魔法によって意地悪な継母へと変わり始めたジゼル。深夜12時の鐘が鳴り止めば、魔法は現実になってしまう。本当に望んでいたのはおとぎ話のような“永遠の幸せ”?ジゼルはその答え見つけ出すために家族と共に動きだすのだったー

引用・ディズニープラス公式サイト(続編『魔法にかけられて2』公式サイト|ディズニープラス公式)

 

 2007年の 『魔法にかけられて』の続編。劇場公開はせずディズニープラスで11月18日から配信開始。主演は前作のキャストが集合し、エイミー・アダムスパトリック・デンプシーのほか前作の公開時ではまだ公開されてなかった『アナと雪の女王』(13)のエルサ役で知られるイディナ・メンゼルも続投。これ、前作はいろんなディズニープリンセスのオリジナルキャストがカメオ出演する映画だったので、振り返ってもっと豪華な映画になった感じがありますね。監督は『キャプテン・ウルフ』(05)や『ベットタイム・ストーリー』(08)などのアダム・シャンクマン。特に今挙げた『ベットタイム・ストーリー』は今回の映画にかなり似てますね。寝る前に読み聞かせする話が現実になっちゃった!って内容です。

 

 ということで思ったことを言っていこうと思うんですが、まずは『魔法にかけられて』という作品がどういう映画だったかを自分が感じたなりにまとめてみました。『魔法にかけられて』は往年のディズニープリンセスストーリーみんなが思いつくような決まりきった型を少し捻ってみせるような映画だと思います。ディズニープリンセスはちゃんと観れば毎回新しいことをやっているのは周知の通りですが、そこは置いといて、イメージでのプリンセス像がジゼルそのものに強く反映されてると思います。極端なんですけどね。ずっと元気で感情が高ぶると歌い出し、王子様を夢見て純粋に生きている感じ。そんな人間が現代社会の洗礼(笑)を受けたらどうなっちゃうの?!みたいなのが非常にキャッチーな部分だと思いますね。でも、それはフリに過ぎなくてここから怒ったり、悲しんだり、あるいは幻滅したり感情を獲得して人間らしくなっていく姿が興味深い映画でもあるんですね。そこから自分の人生を見つめ直すと。エドワードみたいな(良いやつだけど)事あるごとに剣を振り回す危なっかしいやつでいいのかな...とかね。結果的にロバートと結ばれ、「運命の人と思われた人が必ずしもそうとは限らない」話の展開もしっかり用意されている。『アナと雪の女王』の5年前にもうこの展開はやっていたんですよね。(ポカホンタス2?知らない子ですね...)この展開はタッチストーン映画『メラニーは行く!』(02)にインスパイアされてるのではと私は思っています。

 

 『メラニーは行く!』は主人公のメラニーパトリック・デンプシー演じるキャラに恋して婚約まで取り付けるのですが、メラニーには離婚がまだ成立していない別居中の夫がいて...という話。結果的に夫と寄りを戻すんですが、かわいそうなのがパトリック・デンプシーのキャラで、本人は優しいので全然承諾しているのですが、彼のお母さんは「恥をかかせおって!!」と怒ってるんですよね。この映画、僕はやはり彼女のわがままに見えてしまってひたすらになんか不憫じゃないかと思ってしまっていたので、『魔法にかけられて』で救われた気持ちがありました。ジゼルにはロバート、ナンシーにはエドワードっと幸せに結ばれる話がどちらにも用意されていて、(たしかに結婚だけが幸せはないにしろ)僕は『メラニーは行く!』の正統進化だと感じました。

 

 結末にだけフォーカスしましたが、細かいディティールについても触れておきます。おとぎ話の世界からやってきたジゼルの振る舞いはいわゆる共感性羞恥が沸き立つようなものでアンダレーシアと良い対比になっているんですが、特にその中で気になるのが歌です。アンダレーシアでは感情が高ぶると歌い出してしまうようで、ロバートにも「それはやめてくれないか」と苦言を言われていました。現実世界でいきなり歌い出すことは当たり前ですが不自然です。ですが、『魔法にかけられて』のミュージカルシーンはそこに「これならあり得るかも」と思わせる気遣いがしっかりされています。例えば「歌ってお仕事(Happy Working Song)」はジゼルが一人で歌っている曲。他の目が入らないことで違和感なく観れるようにはなっていたり、「想いを伝えて(That's How You Know)」は路上演奏のメンツとノリノリになり突発的に発生したように曲を始めるのもうまかったです。急に歌い出す不自然さを軽減して、ミュージカルにのめり込める工夫が行き届いてると僕は思います。

 

 ラブコメとミュージカルというジャンルをプリンセスの話に見やすく織り交ぜた総括であり前進したディズニー映画として偉大だったと思う一作目である『魔法にかけられて』。正直公開から数十年経った今でも通用する内容だと思いますが。さあ、『魔法にかけられて2』はどうだったのか。

 

 


 序盤までは結構ウキウキで観てました。アンダレーシアから始まるオープニングにはテンションあがりましたね。前作のリスのビップが『ベッドタイム・ストーリー』のように読み聞かせしていく、前作の総集編が入るシーン。数年ぶりの続編なので『ホーカス・ポーカス2』(22)のように親切な作りになっています。そしたらですね、「もう一つ本があってね...」とビップが本を取り出して、「いつまでも幸せに暮らしました」の後の話を読み始めるんですね。

 

 前作から15年後を舞台に、子どもが産まれて田舎に引っ越すことにしたところから始まります。この後の展開も含めて『ワンダ・ヴィジョン』っぽいなと思いましたね。モーガンティーンエイジャーになっていて、皮肉について話すシーンがあります。ジゼルさんこの15年でてっきり人間的になり、逆に「皮肉とかを使ってくるほどに現実世界に染まった」キャラとかにはせずにまだアンダレーシアのモードで生きていて少し驚きました。引っ越し先に着くと、『アレクサンダーのヒドクて、ヒサンで、サイテー、サイアクな日』(14)や、軍人役のヴィン・ディーゼルが育児に励むドタバタ劇で同監督の『キャプテン・ウルフ』のような、家族はツラいよと言わんばかりのドタバタ劇が繰り広げられます。この慌ただしさは好きでしたね。次から次へと嫌なことが積み重なり、アンダレーシアからもエドワードとナンシーが現れて...。エドワードは相変わらずですが、ナンシーとジゼルの昔から仲良い感じはやっぱり嬉しいなと思いましたね。同時にアンダレーシアへのホームシックが加速するのまた切ないところ。

 


 フィリップは出勤、モーガンは登校、ジゼルは育児とそれぞれの人生の鬱憤が描かれます。ここもワクワクしましたね。フィリップは「通勤電車に後何回乗るんだろう」というような、『アナザーラウンド』(20)あるいは『インナーワーキング』(16)からの『ソウルフル・ワールド』(20)のような同じことの繰り返しに希望を見出せない「中年の危機モノ」としての話。モーガンは田舎の学校に転校してきた「恋愛学園モノ」、転ばされて「転校生のお決まりね」というセリフは典型を捻ったA24の『ベアリー・リーサル』(15)を想起しましたね。アンダレーシア気分のジゼルを「恥」と思われていることが悲しい様子は『2分の1の魔法』(20)のイアンとバーリーの関係とか、母親の「おせっかい」が鬱陶しく感じている『私ときどきレッサーパンダ』(22)とか、主題ではないですが『すずめの戸締まり』(22)とか最近のトレンドのような物語、「母娘モノ」(?)とでも呼びましょうか。この3つの軸で話が進んでいくような気がしました。「なるほど、これは2時間必要だわ。」と感心していましたがこの要素を全てごちゃ混ぜにしてしまうある展開から僕はもうダメでしたね。「なんでも叶う魔法の杖」とかいう、ご都合主義が罷り通っちゃうチートアイテムをゲットしちゃうんですね。ミュージカルシーンも突然カメラを意識したように歌い出す不自然で退屈なシーンなんですが、ジゼルはおとぎ話の世界になるように願うんですね。

 


 そのおとぎ話の世界がおとぎ話に全く興味ない人が想像だけで作ったみたいな変な世界でなんですよね。街の人もエキストラとして巻き込んでしまうと。(どっかで聞いたことある話ですが...。)我らが『26世紀青年』(06)のマーヤ・ルドルフ演じるマルヴィナが『白雪姫』(37)の女王風な役になり、ジゼルは『シンデレラ』(50)の継母(トレメイン夫人)風の役になってしまい王女を狙い合うという話。マルヴィナが杖を盗む展開は『シンデレラIII 戻された時計の針』(07)を想起しました。元々おとぎ話風の街なので別に世界がおとぎ話になっても全然見違えないし、仮想世界の競り合いなんか興味ないというのが正直なところでした。「学園モノ」の部分も単純ないわゆるプリンセスストーリーを雑になぞっただけという...。ロバートのシーンとかはギャップがあって少し面白かったですが、話の軸が話が進めば進むほどよく分からなくなるのが残念でしたね。少なくとも『ワンダ・ヴィジョン』、『私ときどきレッサーパンダ』をやった後に公開される映画とは思えないですね。『フェアリー・ゴッドマザー』(20)とか『スニーカー・シンデレラ』(22)の方が過去のいわゆるおとぎ話のアレンジはうまかったですし、主人公と思われたプリンセスも悪役になりうる話は『アナと雪の女王』シリーズで描いていましたからね。前作では粋だったオマージュシーンも予告で分かっていた範囲では良かったですが、あからさまなシーンの引用があって、その度に冷めてしまいました。『リトル・マーメイド』とか無理がありすぎて面白かったですが、「Love Power」のシーンのシンデレラオマージュとか「やめてくれ」と思いましたね。(アラン・メンケンイディナ・メンゼルは最高ですが。)

 


 全体の違和感に通じているのは圧倒的な描き込み不足だと思いますね。15年間の家族の関係の変化があまりわからないし、赤ちゃんがいるはずなのに全然触れないし、引っ越しの件も話し合いが足りなすぎると思いました。ニューヨークのロケが前作でかなり掛かったので、それっぽいセットにしたような邪推もできてしまいますし、続編としての意義が全くわからない一作でした。おとぎ話に対してのスタンスも前作とは真反対で、「いつまでも幸せに過ごしました」という話がなんで受け入れられているかって、自分達の生きている世界はそうはいかないことがあってもお話の世界に一度戻って来れば、物語の世界だけは必ず幸せが待っているから勇気をもらえたりする。「ビリーヴ〜」と重なりますが、人生の辛い時でも長いスパンで見れば最後には必ず「幸せ」になるという幻想を抱かせてくれる、心の支えになってくるという部分はずっとあったはずで、最近はその「幸せ」をより受け入れやすくしているだけであって本質は変わらないはずなんですが、安易にその先を描いてみせるということは少なくともディズニー(狭義)にはいらないかなと思いました。(シンプソンズならアリかもしれないけど。)

 

 『チップとデールの大作戦 レスキュー・レンジャーズ』(22)など、過去の作品に簡単にアクセスできるディズニープラスの特性を活かしたいのか、オマージュを詰め込む風潮が流行っている気がします。個人的には一刻も早くやめてほしい。(『シュガー・ラッシュ:オンライン』(18)はまだネット世界の話なので許せましたが。)ディズニープラスオリジナル作品のこれからが不安にすら思えてくる作品でした。

 

 

『バズ・ライトイヤー』感想(ネタバレなし)

〈あらすじ〉

有能なスペース・レンジャーのバズは、自分の力を過信したために、 1200人もの乗組員と共に危険な惑星に不時着してしまう。
彼に残された唯一の道は、全員を地球に帰還させること。
猫型の友だちロボットのソックスと共に、不可能なミッションに挑むバズ。
その行く手には、孤独だった彼の人生を変える“かけがえのない絆”と、 思いもよらぬ“敵”が待ち受けていた…

引用:https://www.disney.co.jp/movie/buzzlightyear/about.html

 

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字幕IMAX、吹替2Dの2回観てきました。ピクサー映画としては『2分の1の魔法』(2020)以来2年振り、長編としては3作品振りの劇場公開ということで期待値は自然と上がっていました。ですが、その期待虚しく皆さんご存知の通り批評的にも興行的にもややコケ気味のこの『バズ・ライトイヤー』。

 

ピクサー映画では珍しい“スピンオフ作品”。『モルデューの伝説』(2012)などスピンオフの前例はないわけではないのですが、劇場用長編映画では、(例えば時系列が前に戻る作品はあっても、)いわゆるスター・ウォーズの『ハン・ソロ スター・ウォーズ・ストーリー』(2018)みたいな主人公をひとりだけピックアップしたスピンオフ作品はこれまでなかったわけです(追記:『ファインディング・ドリー』とかあったわ)。スピンオフ作品の難しい部分は、自由に話を作りづらく整合性を気にしないといけないところだと思います。つまり、シリーズファンの重圧があるということです。私は『スペース・レンジャー 帝王ザーグを倒せ!』(2000)が大好きなのでこの映画にプレッシャーかけてた側の人間として反省しないといけないですね。みんなの観たかったバズはおそらく『トイ・ストーリー2』(1999)の冒頭のゲームのシーン。アトラクション「バズ・ライトイヤーアストロブラスター」(2004〜)のイメージの人も多かもしれませんね。『〜帝王ザーグを倒せ!』とアニメシリーズファンは少数派ですかね。いずれにしてもバズのヒーロー的な側面が前面に押し出されている作品です。そのイメージで映画を作ることもピクサー内で想定されているはずで、問題はなぜ今回のような作品になったのか。

 


それはディズニープラスで配信中のドキュメンタリー『無限の彼方へ:バズと『バズ・ライトイヤー』への旅』(2022)で作り手たちが導いたバズの魅力があったからだと推測できます。ドキュメンタリー内でバズの面白い部分はおもちゃであるという点にあったと語られています。バズの責任感が人一倍強い頑固な「レンジャーである」側面が、おもちゃである(おもちゃでしかない)という「おもちゃである」側面とのギャップで絶望し、そこから回帰する『トイ・ストーリー』(1995)はバズという存在を端的に表した今見ても優れた作品という事が改めてわかります。。『〜帝王ザーグを倒せ!』ではマニュアルを隅から隅まできっちり覚えているほどの生真面目なバズがミッションで相棒を失うことで他人を傷つけないために自分の殻に閉じこもり、自分を支えてくれる仲間とも向き合わない姿が描かれます。

 


本作『バズ・ライトイヤー』(2022)でも任務に囚われるバスが描かれています。ディズニー映画では『ナビゲイター』(1986)あるいは庵野秀明監督アニメ『トップをねらえ!』(2004)に代表されるウラシマ効果を用いて、バズの魅力は描かれています。どういうことかというと、アンディは成長して大人になっていくけれど、おもちゃたちは同じ姿のまま時が経つ構造をあのウラシマ効果で「おもちゃである」バズを表現しているということです。また、自分の責任を背負って時間を犠牲にして飛び続ける「レンジャーである」バズも描いています。他人に向き合わないまま飛行を続けて4年を費やしつづける展開は『〜帝王ザーグを倒せ!』やMCU繋がりでは『ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス』(2022)、『ソー:ラブ&サンダー』(2022)と繰り返し語られています。この作品はバズのスピンオフとして原点に立ち返って、彼のパブリックイメージの解体を狙っているということになります。アンガス・マクレーン監督も弱さを描きたいと語っていました。

 


また、ウラシマ効果はバズの「おもちゃである」部分と「レンジャーである」部分とは別に作り手自身の思いも込められています。それはみなさんご存知の新型コロナウィルスによるパンデミックです。コロナで失われたこの時間は無駄だったのかという問いです。私はちょうど高校生の頃にパンデミックが発生して、みなさんと同じように修学旅行や文化祭などのイベントが軒並み中止になりました。振り返ってみると中学時代とは思い出に残る決定的な体験がないように思えます。ですが、この映画はそこに待ったをかけます。コロナ禍がなければ映画を今ほど観ることもなく、Twitterも始めておらず、映画館のありがたみを知ることも無かったです。たしかにコロナ禍は、さっき挙げたような良くないことの方が断然多いです。ピクサースタジオ的にも『ソウルフル・ワールド』(2020)、『あの夏のルカ』(2021)、『私ときどきレッサーパンダ』(2022)がディズニープラス配信に回され、ドミー・シー監督の「でかいスクリーンでレッサーパンダが観たい!!」という夢も叶いませんでした。それでも、今あるコミュニティを大切にして、再び人生を歩んでいこうというメッセージをピクサースタジオが送る久々の劇場公開映画でやることはとても意味があると思いました。私たち、そして作り手たち自身を救ってくれるような映画でした。

 


しかし、作り手たちはバズというキャラを考えすぎました。この映画はアンディがバズを買った理由になった旨の内容がご丁寧に映画の最初に語られます。「ウッディのラウンド・アップ」(『トイ・ストーリー2』作品内作品)があったようにバズにもおもちゃ化に至った作品があったことは示されてきました。『トイ・ストーリー2』の『スター・ウォーズ 帝国の逆襲』(1980)のオマージュシーンからわかる通り大規模宇宙SFがあったんだなと想像し、本作に期待を寄せた人は多いと思います。スターウォーズを観て感動を受けたあの忘れがたい瞬間をアンディとともに追体験できるような映画であってほしいと私は願いました。本作が決して悪い映画とは言いませんが、期待はずれだったのは確かです。スターコマンドやクリスタルフュージョンなどお馴染みの用語は登場するも、いまいち謎なまま終わってしまいます。スピンオフの難しい部分ですが、さすがにスターコマンド!何してるんだ君たちは!


https://twitter.com/gemararara/status/1543973983884025856?s=21&t=jsIRPRLNGES8fUVt-_xwvA


ウラシマ効果に関しても超スピーディー解説で、1、2回ではちょっと理解できなかったですね。惑星を移動するとスターコマンドが関与してると思われる施設があったりして、普通に助かりそう、新しい燃料を見つけなくてもいけそうな感じがあるのも問題だと思います。自販機があるってことは搬入してるやつがいるってことでしょ?!という感じで、こちら側が受け取る印象としてバズに対する考察を重ねた上での『トイ・ストーリー4』(2019)と鏡写となるような成長映画というよりかはよくわかんないSF映画として受け取られてしまっているのが現状だと思います。(ウッディというキャラを考察した映画が『トイ・ストーリー4』だとすれば「観たかったやつと違う」という意味では一致しているかもしれませんが...。)

下ネタに関してなど、良くない意見は割と見受けられるのでこの辺で止めておきます。

 


監督の話をすると、アンガス・マクレーン監督は『にせものバズがやって来た』(2011)で有名です。彼の手腕としてよく挙げられるのが「最小限の動きで最大限の笑いを生み出す」だと思います。『にせものバズ〜』で私が偏愛している部分はラストで、不良品のロクシー・ボクシー(ロケットパンチを打つボクサーの亀)の腕が発射され、DJ・ブルージェイ(DJの青い鳥)がスクラッチをするという(文面では伝わらないけど)面白いシーンがあります。スクラッチしただけで面白いというスマートさ!!本作にもその手腕は存分に発揮されていました。みんながバズよりも欲しくなっちゃってるでお馴染み猫型ロボの“ソックス”は監督の手腕が詰め込まれた存在でした。ザーグのロボットが母艦に転送されるくだりはちょっとしつこいいですが、ご愛嬌ということで。


期待はずれではあったものの、どこぞの某レンジャーズ映画よりは全然好きな映画でした。『モンスターズ・インク』(2001)のような複雑な設定を分からせる力は欲しかったですが、ウラシマ効果にここまで作品の役割を置くことができるピクサースタジオは素晴らしいと思いました。評判はあまり良くないですがやはり劇場で観るべき映画だと思いました。